「カフネ」阿部暁子著を読んで

「カフネ」は、ポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指を通す仕草」を意味する言葉

家事代行サービス「カフネ」を通して舞台は進んでいく。

この本は社会で一般的にいう弱者だったり、一見全てを持ち合わせているような人も葛藤を抱えて誰にもいえず苦しみそれが本人が気づかずうちに外から見てもわかるくらいに表に出てしまっていること。

そんな誰かが偶然誰かと出会い、行動し、改めて自分に向き合うことができるようになる気持ちが前向きになる本だった。

私は主人公と歳が近く、アラフォー。主人公のように不妊治療はしていないけれど、2人目の子どもを40歳近くなり、諦めたこと。そんなところに親近感が湧きつつ、主人公と違って、仕事がバリバリできるわけでも頑張り屋さんとは正反対な自分を卑下しつつ、そんなマインドを持った人間を羨みながら、どん底に落ちた社会人女性の復活劇を読んでいた。

この本をオーディブルで聴いたので、ナレーターの岸本百恵は私の大好きな「上流階級 富久丸百貨店」の女性の快進撃と同じナレーターで、同じような立場の女性の快進撃をとても楽しく聴くことができた。ナレーターは本を読む上で結構な重要ポイントだ。聞きやすさの相性がある。

2人目の登場人物、ぶっきらぼうで愛情表現が不器用だけどとても思いやりのある女性もとても素敵だった。父親が東北出身で東北に多い苗字を使用しているところもなかなか考えられているなと思った。

最後は意外な展開。だけどハッピーエンド。とてもいい読書時間でした。

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