作文が書けないのは、なぜ?
息子は発達障害グレーゾーンです。
小さい頃から、「読む」「書く」ことにはずっと苦手意識がありました。
絵本も、小説も、子供向けのものをいろいろ試してみたけれど、あまり興味を示してくれず。
読み聞かせも集中して聞いてくれたことはほとんどなくて、「本を読む」こと「物語の世界を楽しむ」という感覚に、なかなか繋がらないようでした。

加えて、発語や作文も得意ではなく、学校や塾の先生に相談しても「作文はパターンだから覚えればできるようになりますよ」とよく言われました。
でも、いざやらせてみると、本人の苦手意識が強く、なかなか取り掛かれない。やらせようとしても、その場から逃げてしまう。
天声人語の要約や感想文などにもトライしてみましたが、どれも続かず逃げてばかり。
このことで一度、子ども家庭センターで作文のフォーカスを当て抽出した検査も受けたことがあります。結果は、語彙力は十分にあるけれど、情報処理速度はややゆっくり、話すことも苦手というものでした。何回か練習を積み重ね、なんとなく文章は書けますが、それでも必要文字数を埋められない、文章構成が下手、と課題はあります。
そんな中、我が家にとって大きな転機となったのが「オーディブル(耳読)」との出会いです。
救世主「Audible」現る
私自身、本から少し離れていた時期がありました。
でもaudible(オーディブル)なら、家事をしながら、通勤途中に、好きな作品を気軽に「聴く」ことができて、オーディブルを聴き始めたことで、ぐんと読書のハードルが下がりました。
家でオーディブルを流していたら、いつの間にか息子も耳を傾けるようになって…。
気づけば「これ、面白かったからまた聴きたい」と、自分からリクエストするように。
どうやら、もともとラジオでニュースを聴くのが好きだったこともあって、“耳から情報を入れる”スタイルには抵抗がなかったようです。

さらに驚いたのは、オーディブルで気に入った作品を、紙の本でも読んでみようという気持ちになったこと。
今では、「読書って楽しいかも」と思えるようになったようです。
最近では中学校の「朝読書」の時間にも積極的に読書をするようになり、なんと近藤史恵さんの「サクリファイス」シリーズ5冊を半月で読了しました。
こちらに関してはオーディブル化されていない作品だったのですが、自転車が好きな息子に内容を紹介してみたところ、興味を持ち、自分から「読んでみたい」と図書館で借りてきたのです。
正直、作文が今も苦手なことに変わりはありません。
情報を整理して言葉にすることは、彼にとってまだ大きなチャレンジです。
でも、「書く」ことは苦手でも、「読む」ことの楽しさを知ってくれたこと、それが今の私にはとても嬉しい変化です。
成長のスピードは、きっと人それぞれ。
本の感想を自分で書き出すことがまだ難しい今、私が読み終えた本の感想を聴き、彼の読書アプリにメモしています。なかなか回答が出ず、ボソボソっと話す彼にそれはなぜそう思ったの?と更問を繰り返します。
メモしたことは不意に感想文を書く場面で使えるので自分の実績を記録として残しておくようにと声がけしています。自分では難しいようですが。
彼の小さな一歩の積み重ねを、私は心から大切にしたいと思っています。
オーディオブックとオーディブルの2大巨頭
オーディブルは月に1,500円かかるサブスクリプションです。地味に月1,500円はチリツモ出費で痛いと思うときもあります。
また、息子が勉強そっちのけ、睡眠時間を削ってでもオーディブルを聴きすぎてしまって本末転倒だったりすることもあり、解約を検討することもあります。サブスクあるあるですが、忙しくて全く聴かない月などはもったいないと思うことも。
半額程度で入れるaudiobook(オーディオブック)というサブスクもあるので耳読が気になる方はそちらも合わせてご検討されてみるのが良いと思います。どちらも無料期間があります。配信数や配信ジャンルが異なり、audiobookはビジネス書メインで小説の数が少ない、audibleはaudible対応になっていない書籍がたまにある・ベストセラー版は1冊3000円くらいの有料版であることが多い、です。忙しい大人にもとても便利なサービスですのでぜひ試してみてください。
その中でどの本を読んでいいかわからないという方へは、評価数が多い本を読むことをお勧めします。

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